誰かに聞きたかったバイオリンの弦交換の方法!

ピアノは調律師さんに来てもらって調律やメンテナンスを行いますが、バイオリンは日常の調弦や弦の交換は自分でやらなくてはなりません。

一番困るのは弦が切れたりゆるんでしまった時の対応ですね。バイオリンケースを開けて弦が切れている時のあの衝撃は、バイオリンを弾くみなさんが一度は体験するもの。

くわしい写真と一緒にバイオリン弦の交換についてご紹介します。

 

バイオリンの弦の交換はむずかしくない

バイオリンの弦交換はむずかしい作業ではありません。古い弦をペグから外し、新しい弦を巻きつけるだけの作業です。一番困るのはそのあと音程がなかなか合わなかったり、何度ペグを回してもすぐにゆるんでしまうことですね。

 

バイオリンのペグは非常にシンプルで、ペグの穴にペグ本体を差し込んであるだけです。ただそのペグの穴は2つありますが、ほんの少しだけ穴の大きさを変えてあり、うまくねじ込んでいけばゆるまないように作られています。

ペグを回して弦を張ってもすぐにゆるんでしまう方は、ペグを押し込みながら回していないケースが多いです。

 

バイオリンの弦の交換は順番があります

切れた弦を1本だけ交換するならば問題はないですが、全部の弦を張り替える時に、まとめてすべての弦を外してしまうのはやめましょう。駒が倒れてしまい、バイオリンの中の魂柱もずれてしまいます。交換をする時には1本を外して、新しい弦をしっかりと張ってから次の弦に取りかかりましょう。

 

また弦の交換の順番は、1番線(E線)を最後にやるのが良いでしょう。E線は細くて張りが強い弦なので、他の弦がゆるんだり外したりすると影響を受け、急に切れるリスクが高くなります。

筆者自身はチューニングを行う順番、2番線(A線)→3番線(D線)→4番線(G線)、そして最後にE線を行うようにしています。

 

バイオリン弦の交換時には駒の角度にも気をつけて

新しい弦を張る時には、上駒(ナット)と駒(バイオリンの真ん中にある駒)の溝に、弦がしっかりはまっているか確認しましょう。意外とずれたまま音を合わせている方が多く、気がつかないこともあります。

筆者撮影・駒の角度直し

また弦を張り替える時は、駒の角度や立っている位置にも気をつけましょう。新しい弦の音程を合わせていると、どんどん弦を伸ばしていくため駒も引っ張られて動いてしまいます。張り替えが終わったら、駒がものすごく前傾していたり、左右の足の場所がずれて直せなくなったりすることもあります。

筆者撮影・駒のの角度直し

特に駒が前傾し、一気に倒れるとその衝撃で楽器を傷つけたり、最悪はバイオリンの表板が割れてしまう場合もあります。調弦は慎重に行い、駒を少しずつ直しながら作業を進めてくださいね。

 

バイオリンの弦の交換の方法

では実際に弦の交換方法をご紹介します。

 

古い弦を外す

筆者撮影・古い弦を外したところ

切れたり伸びてしまった弦はペグをゆるめて外しましょう。切れていない弦はスペアとしてとっておくと便利です。

 

新しい弦をセットする

筆者撮影・D線のペグに弦を通してみました(わかりやすくペグを外しています)

ペグの穴に弦を差し込み、反対の穴から弦の先が少し飛び出るくらいにひっかけます。

筆者撮影・D線のペグに弦を巻きつける(わかりやすくペグを外しています)

ペグを2巻きほど回して弦を張ります。弦を少し引っ張りながら行うときれいに巻くことができます。

筆者撮影・ペグに弦を巻いたところ

 

テールピースに弦のボールをひっかける

筆者撮影・テールピースの穴に弦を通す

ペグ側がセットできたら、テールピースの穴に弦の端についているボールを入れて、弦をひっかけて固定します。

筆者撮影・テールピースの穴に弦を通す

まれに弦の穴が小さくて溝に弦が入らない場合もあります(ドミナントは弦が太いので苦戦することが多いです)弦を少ししごいてなんとか入れてしまいましょう。

 

ペグを回してゆっくりと弦を張っていく

筆者撮影・ペグの弦を巻きつけたところ

片手で弦を軽く引っ張って張力を保ちながら、反対の手でペグをねじ込んで弦を張っていきます。駒の溝に弦を乗せるのを忘れないように。

筆者撮影・弦を張ったところ(まだ少しゆるめ)

弦のたるみがなくピンと張った状態まで、ペグをねじ込んでいきましょう。

 

チューニングをする

筆者撮影・弦を弾いてチューニング

チューナーがあればぜひ使いながら、弦を指で弾いて音程を確認してみましょう。合わせたい音程まで半音ずつくらい音が高くなるように、少しずつペグを回していきます。弦は弾いても音程の確認はできますから、まだ弓で弾かない方がやりやすいです。

筆者撮影・チューニングの目安(半音下)

D線のチューニングで、レの音付近、できれば半音ぐらいのエリアに入ってきたら、少しずつペグを回しながら正しい音程の場所に来るようにチューニングしましょう。

筆者撮影・チューニングの目安(このくらいまで合わせられると良い)

弾きながらペグを回せる方はぜひ挑戦してみてください。チューナーのほぼ中央辺りに目盛りが来ればOKです。

 

急にペグを回すと、弦にテンションがかかりすぎて切れてしまうこともあります。またE線はペグで近い音程まで合わせて、微調整はテールピースのアジャスターで行いましょう。

またA線のペグがどうしても回しにくいという方は、A線にもアジャスターを付けるのも便利です。工房などで相談してみてくださいね。

 

数日は音程がくるいます

新しい弦はなじむまでしばらく時間がかかります。早い弦でも2日ほど、太めの弦は3日くらいは音程が下がり続けます。バイオリンを弾くたびにチューニングをしてあげてください。

本番直前に弦の交換をするのはあまりオススメしません。できれば3日前までには終わらせてしまいましょう。

また突然弦が切れて交換をしなくてはならない時には、古い弦を張るとすぐに音程が安定します。そのためにもお古の弦を1セット、予備弦と一緒にケースに入れておくといいですね。

またどうしても弦が落ち着かない時には、張った弦を指でぐっと引っ張って伸ばしてしまう方法もあります。弦にとってはあまり良くないそうですが、急ぎの時には使える方法です。

 

まとめ

いかがだったでしょうか?バイオリンの弦の交換についてご紹介しました。音程を合わせる時は面倒ですが、ゆっくりと半音ずつを目安にペグを回してくださいね。

弦交換は何度もやって慣れるのが一番なので、どんどんトライしてみてください!